天ぷら油で走る豊中のゴミ収集車

  2007年7月11日

豊中市庄内にある環境整備(泉興業) 豊中市委託のゴミ収集に一部BDFを利用している
廃食油が入ったドラム缶 軽油ではなく灯油と混ぜる
廃食油3に対し灯油7を混合 添加剤(企業秘密)を加え遠心分離機で7時間。この機械は豊中市浜にあるTRIPLE Rという会社製
BDF燃料ができる 目立つマークを貼ったゴミ収集車が豊中を走る
豊中環境整備
 豊中市内を「天ぷら油で走ってます」という看板を付けたゴミ収集車が走っている。以前から気になっていたが、ようやく連絡が取れ、7月11日(水)豊中市庄内にある「環境整備」という会社を尋ねた。

 さっそく燃料倉庫に案内してもらったが、そんなに広くない部屋に廃食油のドラム缶が3本置かれている他は、金属製の箱(1m四方ぐらい)が3個と遠心分離機が1台、ここでBDFと軽油を混ぜているのかと思ったら、なんとBDF(バイオディーゼル燃料)を作っているとのこと。
 BDF精製プラントは結構大きな装置、はて? と聞いてみると、廃食油と灯油(軽油ではなく)を3対7の割合で混ぜて、添加剤を加えて遠心分離機にかけるとBDFができるとのこと。1時間半の工程を4回繰り返し、約7時間ほどで600リットルのBDFができるそうだ。添加剤は企業秘密とのこと。
 環境整備では、2005年7月以来常時2台のゴミ収集車をBDFで走らせている(予備にもう1台保有)。運転手の評は、少しパワーは落ちるが、運転に支障はない。冬場の寒い時期でもエンジントラブルなどはないとのこと。手入れとしては年1回、フィルターを交換することぐらい。
 BDFといえば
メタノールを加えてグリセリンを取り出すエルフ方式(レボインター)
http://www.e-revo.jp/
酵素によりグリセリンを分離させる酵素方式(茨木工科高校)http://www.geocities.jp/nanohanapminoo/bdfkengaku060923.htm
の二つがあると思っていたら、また別の方式があるようだ。添加剤を使うのだから、酵素式に近いのだろうか? 遠心分離機は見たところ冷蔵庫ほどの大きさで、全体に非常にコンパクトでシンプル。扱いやすい上に7時間で200リットルも精製できる。灯油と混ぜるので、大阪府に1リットルあたり32円20銭の税金を払うが、それでもBDFの価格は軽油とほぼ同じ程度とのこと。

 排気ガスは黒鉛がほとんどなく、かすかに天ぷらの臭いがする。市民にも好評で、収集車が来ると、廃食油を引き取ってほしいと頼まれることもあるそうだ。しかし規則で廃食油の引き取りはできないので断っているとのこと。ちなみに廃食油は近隣の事業所や、豊中市の施設から調達している。

 環境に配慮したゴミ収集車、「豊中市も評価しているでしょう」と聞くと、それは全くないそうで、5年に一度の入札は競争が厳しく、3年後は果たして落札できるかわからないという。ゴミ収集を民間委託するに際し、BDF利用の収集車を使う業者を優遇することぐらいしてもよさそうなものだが・・・。
 親会社の泉興業はISO14001を取得するなど環境問題に意欲的に取り組んでいる。剪定枝と有機物で堆肥を作って「地球村堆肥」と名づけて販売もしている。現在尼崎と豊中でBDF利用の収集車を走らせているそうだ。

 箕面市では以前からBDFを使ったゴミ収集車を走らせているが、冬場はトラブルが多く、現場は止めたい・・・という話。せっかく先進的に取り組んで、ようやくこれからBDFの時代を迎えようという時期。ぜひ工夫してBDFゴミ収集車を増やして欲しいもの。
2007年7月11日